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15/11/21【週刊 本田圭佑】カギは対話とコミュニケーション

カンボジア戦後半途中から出場した本田圭佑(写真:Getty Images)

クラブでは厳しい立場、代表ではエース

 17日に行われたW杯アジア2次予選・カンボジア戦。本田圭佑は後半途中からピッチに登場すると、試合終了間際にヘディングでチーム2点目を決め、勝利に貢献した。5日前のシンガポール戦からガラリと先発メンバーを変更した代表だったが、前半から低調なプレーが続いていた。その中で、背番号4をつけたエースは途中出場ながらしっかりと結果を出し、これでW杯予選5試合連続得点を記録。ミランでは厳しい立場に追いやられ、試合出場機会も激減する中、今回も代表の舞台ではエースにふさわしい活躍を見せた。

 そして戦いの場は、再びイタリアへ。ミランは21日にユベントスとリーグ再開戦を戦う。代表ではファンを納得する働きを見せたが、ミランでは再びベンチでの生活が始まることが濃厚だ。

 シニシャ・ミハイロビッチ監督もここ数試合は本田のポジションである右サイドのFWにイタリア代表のアレッシオ・チェルチを固定。チェルチも好調を維持しているだけに、本田がすぐに取って代わる可能性は限りなく低い。

 カンボジア戦後、あらためて記者にここからのミランでの戦いについて聞かれた本田は、こう答えている。

「ここからはやっぱりクラブで結果を出さないとダメなので。またミランではレギュラー争いが激しくなると思いますけど、自分のポジションを奪い取るように頑張りたい。ミランの状況?負けているし苦しんでいるし、いい感じで批判されているなというのはありますけど。自分自身については、やはりポジティブに考えないともったいないですし、この状況を迎えているのは世界で自分ただ一人なので、考え方で成長率も変わってくるでしょうし、これからも常にポジティブに取り組んでいきたい。今はプレー時間も後半の少ない時間しかないし、チャンスを与えられないところなので、そこでいかに結果を出すかだと思います」

 シンガポール戦前にも、本田は「最近はベンチに座る選手の考えもわかるようになってきた」と話しているが、当然現状の自分に慣れることは本望ではない。「負けている」と本田は語ったものの、ここ最近のミランは以前よりは白星を重ねており、そうしたチーム状況からも今の先発メンバーを大きく変更する必要に迫られていない。本田にとっては、皮肉にもチームの状態が良ければ良いほど、苦しい立場のままということである。

 ここからチーム内での存在感を浮上させるために、カギとなるのはいったい何か。本田は対話コミュニケーションを挙げた。

「(選手やスタッフ)全員と多くの会話ができるわけじゃないんですけど、それでも何人かの選手としっかりコミュニケーションを取って分かり合っている選手もいるし、片言のイタリア語で何とかやっています。そういうコミュニケーションがキーポイントになってくるかなと思います」

一発を決められる選手

 現地報道ではもはや本田がミランの中で浮いた存在であるかのような記事も多い。しかし、本人はむしろ周囲とのコミュニケーションがここから重要になってくると自覚している。対話をしたことで、いきなり出場時間が増えていくわけではない。ただ、短い時間で結果を出すことは難しい挑戦だが、それでもプレーのシンクロを高めていくための対話をすることで、少ないチャンスでアシストやゴールに結びつくプレーが可能にもなる。

本田は以前、「結局サッカーで大事なことは、肝心な場面や試合で一発を決められる選手であるかどうかだと思う。自分は万能な選手ではない。でも、その一発を決められる選手を目指したい」と熱弁していた。

その観点で言えば、いまこそ数分、数十分のなかで一発を決め、周りを見返すことが浮上のきっかけには不可欠である。

まずはユーベ戦。イタリア中が注目するロッソネロ(ミラン)とビアンコネロ(ユーベ)の戦いで、本田が狙うは一発のインパクトである。

《文=西川結城》

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