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15/06/24GK王国ドイツの中でも若手No1の呼び声が高いケルンのティモ・ホルン

GK王国ドイツ、その泉から新たな才能が次々と
 今季のブンデスリーガの得点王には、26試合に出場し19ゴールをマークしたフランクフルトのFWマイアーが輝いた。19ゴールでの得点王は史上3番目に少ない数字で、20ゴールに到達しなかったのは01/02シーズン以来13年ぶりのこと。大幅にゴール数が減少した今季の傾向を反映した形となった。
 とはいえ、ひざの手術の影響で終盤戦7試合に欠場しており、最後にゴールを決めたのは第25節。1試合平均得点0.73は得点王に十分に値するだろう。開幕直後はシャーフ監督からの信頼を得ることができず先発を外れていたが、シーズン初先発となった第4節・シャルケ戦で今季初ゴールを挙げると、その後は順調なペースで得点を重ねてフランクフルト攻撃陣の中心を担った。

驚異的な追い上げを見せたオランダ人FW
 シーズン途中までは得点王を争っていたバイエルンのロッベンもけがに泣かされた。開幕から出遅れながらも21試合で17得点というハイペースでゴールを積み重ね、ブンデスリーガでは珍しいウイングの選手としての得点王も期待されていた。しかし、終盤にけがを再発して戦列を離れたため、ゴール数を伸ばすことができなかった。
 驚異的なペースで追い上げを見せたのはボルフスブルクの長身センターFWドストだ。前半戦はほとんど出場機会のなかったこのオランダ人FWは、第14節でシーズン初得点を記録すると、前半戦を2ゴールで折り返した。そして、後半戦が開幕するとゴール前での得点感覚を発揮して6試合11得点と大爆発。一気に得点王争いに食い込んだ。とはいえその勢いもなかなか続かず得点ランク4位に終わったが、1ゴールに要した時間は95.3分とそのペースは最も速かった。

成長が期待される若手GKたち
 スペインのFCバルセロナで3冠を達成したGKテア・シュテーゲンが、母国ドイツではA代表どころか年代別代表でさえポジションが安泰ではないことでそのレベルの高さが話題を呼んだドイツのGK事情。近年のボールの進化の影響でGKにとって受難の時代が続いていたが、今季はGKが存在感を示したシーズンになった。
 そのテア・シュテーゲンと年代別代表でポジションを争うレバークーゼンのレノは今季リーグ戦34試合に出場し、16試合を無失点で乗り切った。アグレッシブなプレーが持ち味で、PKにも強い。23歳ながらすでに1部での出場試合数は133を数えており、A代表入りもそう遠くないはずだ。

ドイツではGKの泉から次々と新たな才能が湧き出ている。若手No.1との呼び声が高いのがケルンのホルンだ。今季ブンデスリーガ1部デビューを果たした22歳は、75%のセーブ率を記録し、開幕から364分間無失点を続けた。マンチェスター・ユナイテッドなどが獲得に乗り出すなど今後の成長にも期待が集まっている。
 才能豊かなのはドイツ人GKだけではない。今季は新人スイス人GKも注目を集めた。ボルシアMGに加入したゾマーはテア・シュテーゲンの後釜として十分なプレーを見せた。身長183cmとGKとしては小柄な部類に入るが、的確なポジショニングと素早い反応でリーグ最高となる84%のセーブ率を記録。足元の技術も高く、11人目のフィールドプレーヤーとして正確なフィードから得点の起点になることも多かった。今季フライブルクに加入したビュルキはチームを降格から救うことはできなかったものの、その活躍が認められてドルトムントへの移籍を果たしている。

サイドにも新星現る
 2014年のブラジルW杯で世界王者となったドイツ代表だが、世代交代も着々と進みつつあり、新戦力も台頭した。今季ブンデスリーガで最も評価を上げた選手の一人がレバークーゼンでウイングを務めるベララビだ。昨季、期限付き移籍先のブラウンシュバイクで経験を積み、レバークーゼンへ戻ったベララビは、開幕節でブンデスリーガ史上最速となるキックオフから9秒でのゴールをマークすると、レバークーゼンの序盤の躍進をけん引した。その活躍が認められて昨年10月にレーブ監督からA代表に招集されるといきなり先発デビューを飾り、その後は代表に定着している。
 同じくウイングとしてはボルシアMGのヘアマンも好印象を残した。3シーズン連続でリーグ戦30試合以上出場を達成し、今季はキャリア初の2ケタ得点を記録。6月の親善試合・米国戦で代表デビューを飾り、1アシストを含む素晴らしい活躍を見せるとそのままユーロ予選ジブラルタル戦でも先発の座を勝ち取った。
 慢性的なSB不足に陥るドイツにも期待の新人が登場した。今季がブンデスリーガ1部での初めてのシーズンとなったケルンの左SBヘクトルは、体調を崩した最終戦を除きリーグ戦33試合に先発出場。11月にA代表初招集でデビューを飾ると、いまや貴重な戦力の一人になった。

直接FKで魅せたシャラノルとユヌゾビッチ
 今季途中から導入されたFKスプレー(バニシング・スプレー)によって直接FKからのゴールが増加したが、なかでも二人のキッカーがその芸術性を競い合った。レバークーゼンのMFシャラノルはリーグ最多となる6本の直接FKを沈めた。その右足からは放物線を描く正統派、ブレ球、スピードボールと豊かな球種が放たれ、相手GKを嘆かせた。
 ブレーメンのMFユヌゾビッチは今季6ゴールのうち実に5つを直接FKから奪った。その正確なキックはプレースキックでも大きな武器となり、ブレーメンはセットプレーからリーグ最多となる22得点を挙げた。

 

《山口 裕平》

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